さようならARCHOS70IT

この一年愛用してたarchos70itというタブレットがあります。フランスのもので個人輸入しました。
出た当時は厚さ1cmの物はなく、薄い軽い が絶対条件だろうと思っていた私には初めての個人輸入も当然のながれとなっていました。


3G回線は使えないもののニュース類はspoolというアプリに保存して見ることで充分でしたし、青空文庫を初め、多くの書籍をこのタブレットで見ました。
電子書籍に関してはかなり多くの話題がありますが、実感として必要で有意義なものだと思っています。


音楽等のメディアプレーヤとしては一時期しか使っていませんが必要十分な性能でした。bluetoothのイヤホンを持っていないのでずっと付属のイヤホンで聞いていましたが流石に外では邪魔だったりしたのと、最終的にあちこちに引っかかったことが原因か接触が悪くなりつかわなくなりました。




なによりも、私はブログ意外にも色々文章を書くことが多いのですが、メモにもアイデアをまとめるのにも活躍してくれました。今の10秒程度で復帰するようなモバイルPCをもっていないのでカフェでも、公園のベンチでも使い倒しました。


キーボードは使っていませんでしたが、フリック入力は想像以上に快適で思考を止めることもなく思いも考えも綴ることができていました。そしてそれはあらたな思考へと繋がっていました。




そんなarchos70itに私にとっての弱点がひとつだけありました。バッテリです。
使用可能時間の問題ではなく、温度の上下に弱かったのです。冬は少し温めないと充電ができない、夏は薄さからかハードな使い方をすると裏面の高温化。特に低温に対しては致命的でこの冬も使いながら温度を少し上げて布団の中で添い寝して充電が普通でした。


しかしそれが災いしました。


ベッドは部屋を占有してしまうので布団を毎日上げ下げしています。


彼は私の布団にいつも通りいました。気持ちよさそうにバッテリランプを点滅させながら。


布団から出て北の出窓のカーテンを開けて、東の窓の雨戸を開けます。
真ん中に陣取る布団はフワッと足を包むと硬い感触よりも先にミキッっと音を伝えました。


いつもなら気づいたはずでしたが、その日は寝た時間が悪かったのか起きた時間が悪かったのかまだ体がドロドロとしていて感覚が鈍っていました。


あぁと思ったものの朝食を優先した私はその時間を幸せに過ごせた分ましだったかもしれない。
しかし朝食を済まし、部屋に戻った自分の事を思い出すとなんとも笑える顔をしていただろう。


液晶上部少し右。そこが起点となっていました。真下へ一本、左へ二本、右へ一本。そして起点となった部分には集中して細かくいくつも。ヒビがありました。


物が壊れることは必然ですが、人一倍その破損や紛失を寂しく、悲しく思う質です。
まるで亡骸が動かないことを確かめるように、電源のボタンを何度も押しました。








愛用していた丁度の大きさのケースに収まったまま、archos70itは私のデスクの上に置いたままになっています。













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